Swingyの音楽日記

ジャズピアノの演奏・レッスンと、それに関わる身体動作について研究・練習していることなど

甲野善紀先生の音楽家のための身体操法講座に参加

甲野善紀先生の音楽家のための身体操法講座(40回)に参加

指導した桑田投手が復活したことで広く知られるように
なった、武術家・甲野善紀先生をお迎えしての講座。

始めの一時間は、甲野善紀先生が武術、身体の動きについて、
最近新たに発見したことやできるようになったことなどを
実演つきで紹介してくれました。


・今までは、手に棒を持って、その棒で物を持ったり動かしたり
していたかのように、今の方がずっと自分で手を動かしている
感触がある。手が自分のものになった。とのこと。

今までだって超人的な動きをしていたにも関わらず、ですよ。
全く想像のつかない世界です(笑)。

・軽い竹刀より、重たい真剣の方が速く動かせるようになった。

などなど。


甲野先生の講座に出席するのは3回目。

今までは聴講生という形だったけれど、今回は、ピアノの演奏を
見て頂く予定、

だったが、いつもはピアノが出ているという小ホールに今日は
出ていない。

舞台にイスだけが置かれた(笑)

それでは、と、イスに座ることに関してアドバイスを求めた。

僕「時に、どう座ってもしっくりこないことがある。
そんなとき、自分でしっくりくるように座れなくて困っている」

(回答1)
先生、僕をじっと見て
「あなたは首が緊張しやすくて、重心が上がってしまう。」

ということで、重心を下げる方法を教わった。

体の横で、手のひらを下に向け、
親指と小指を近づけつつ、
人差し指、中指、薬指を外に開く。

この相反する動きを同時にして、バランスをとる。

すると横隔膜が下がり、(おそらく呼吸が深くなり)落ち着く。

なるほど、形の問題じゃなく、緊張してるということでしたか。
僕に限らず、緊張する場面では使えるようですよ。

でもやりすぎると手を痛めます。・・・痛めました(笑)

(回答2)

しゃがんで、少し腰と腕を浮かせたところから、一瞬で脱力して
一気に落ちる。完全に脱力して落ちると、ポンっと驚くほど
跳ね上がるのだそうです。

その場でやってみるが、まったく跳ねず。
みんなが笑いながら見てるなか、何度やっても跳ねず・・・

すると先生が、「だいたいみんな自分の足の力で起きあがって、
『ほんとですね!』とか言うんだけど、それをしないだけマシだな」
とささやかなフォロー。

これをやると体がスッと細くまとまるんだそうです。
「スッと細くまとまる」というのは、気功&太極拳で体験している
ので意味がわかる。

翌日、自分のスタジオで何度もトライ。
全くハネはしなかったけれど、そのあと、外を歩いたら、まさに
スッと細くまとまって、身長が3~5センチ高くなったような感じ。
本当に高くなってるかもしれないと思うほど、行き交う人々の
背がいつもより低く見える。

(回答3)

いすから立ち上がる動作

これは説明しずらいので省略。


そして数日

先生の発見である、今までは手に棒をもって動かしていたかのよう
というのが、どういうことなのか考えている。

「30年やってきて、還暦を過ぎた今になってできるようになるとは思わなかった」

とのことなので、ずっと研究しても30年かかるようなこと、
年をとったらできないようなこと、一生できないかもしれないようなこと。
なのだろう。

その日見た、先生の信じられない動きの数々は重さを上手に利用している
ものが多いようだったので、これもそうなのかもしれないけれど、
よくわからない。

僕がもし、動きに関して、そういう一生かかってもできないかもしれない
ようなことをやってみるとしたら、どんなことが考えられるだろう??

今回は、手をどうする足をどうするというように自分の体を意識する
ものではないものを中心に考えました。

自分の体をどうこう意識することは、アレクサンダーテクニックで
さんざんやって、頭が疲れた(笑)。

それに、前回参加した講座の最後に、僕がした質問

「そういった色々なことを、先生は意識してやっていますか?」

に、先生はこう答えられた。

「いや、そうせざるを得ないような環境を作る。」

つまり「どこをどうする」とは考えないのだ。

●僕の考えた凄い動き

・反射的な動きの利用 
 意識するより反射的な動きの方が断然速い。
 あるいは火事場のクソ力など、無意識の力は凄い。
 それを意識的に引き出す方法を考える。

・手をあげようと思ったら、勝手に手が上がる。
 これは凄い(笑)
 しかし近づけた指先をじっと見ていると指先がくっついてしまう。
 といったように、注意を集めたら自然に動くということはあり得る。

・何かに触れているところだけ(指先とか足の裏など)を意識する。
 動きはイメージだけを持ち、動かそうとしない。

・動かす物と一体になってしまう。
 動きはイメージだけを持ち、動かそうとしない。

・動かす物になりきってしまう。(自分は無くす)
 動きはイメージだけを持ち、動かそうとしない。

・物が勝手に動いくれる。そこに手を合わせていくだけというイメージ。


今、この一番下のイメージをやってみています。
歩く時は地球がウォーキングマシーンのように回ってくれます
面白いです!!!(笑)

そしてもう一つ、だるくてうつむきがちな体を正す方法として、
背筋を伸ばすのではなく、「天」と「地」を意識して動いてみたところ、
これも体がスッと伸びます。
気持ちいい!!


とまあ、色々な方法を書いてしまったけれど、先生がどうやって
いるかは教わっていないのです。

「自分で考えれば可能性は無限大!」

僕も教える側のときに、どうレッスンをしていくか、もっと考えよう。



甲野善紀公式HP
http://www.shouseikan.com/

「wikipedia」にて甲野善紀
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B2%E9%87%8E%E5%96%84%E7%B4%80

僕が読んだ著書 
武術への招待 (共著・井上雄彦) 宝島社 文庫版
賢い身体 バカな身体 (共著・桜井章一) 講談社 1,470円
身体を通して時代を読む (共著・内田樹) バジリコ
自分の頭と身体で考える (共著・養老孟司) PHP研究所
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  1. 2010/11/16(火) 18:45:33|
  2. 心と身体