Swingyの音楽日記

ジャズピアノの演奏・レッスンと、それに関わる身体動作について研究・練習していることなど

ジャズピアノを始めるスリーステップ!!!

前回の「ジャズピアノの特徴(クラシックとの違い)」で
書いたように、ジャズとクラシックでは様々異なる点がある
わけですが、中でも、ジャズピアノを始めるにあたって、
最初に大きな壁になるのが「コード」と「即興演奏」。

しかし、ありがたいことに、クラシックのように全部譜面に
書かれたジャズピアノの楽譜も売っています。

ですので、コードは使わず、即興演奏もせず
ジャズピアノにちょっと触れてみるということもできます。


では、ここからが本題。

◆ジャズピアノを始めるスリーステップ!!!


<1>ピアノ譜(二段譜)で弾く

クラシック経験者にお薦め。
全部音符が書かれた楽譜を使って、まずは雰囲気を味わおう。

・コードを使わない。
・即興演奏をしない。
・スイングはしよう。

× 自分に合うレベルのものを見つけにくい。
× スイングは記譜できない。お手本の聴けるものを選ぼう。


<2>コード譜で弾く

コードや音楽の仕組みを学んでアレンジできるようになろう。

・コードと伴奏パターンを覚え、コード譜で弾こう。
  ↓発展↓
・様々な伴奏パターンを覚え適材適所で使いこなそう。
・メロディもジャズっぽく弾けるようになろう。
・イントロやエンディングも付けられるようになろう。
・理論も勉強してコードを付け替えたり、テンションを
 使ったりしよう。

ソロピアノだったら、ここまででも充分楽しめると思い
ますし、逆に言えば、勉強することもたくさんあります。

コードと合わせて音楽の仕組みを学ぶことで、
ジャズに限らずあらゆる音楽のことが分かってくるので、
ぜひじっくりと。



<3>コード譜でアドリブをする
   ~コードやスケールをもとに自分でメロディを作る~

セッションやバンドをやるとなると、ほとんどの場合
アドリブ、つまり即興演奏が必要になってきます。

しかし、コードが目まぐるしく変わるジャズの曲で
アドリブをするのはかなり大変なこと。

いきなりここからやろうとすると、訳が分からないまま
挫折してしまいかねないので気をつけましょう。


おすすめは、やはり<1><2><3>の順番にやること。

ただし、ずっと<1>の譜面通りばかりでは、永遠に
アドリブできるようにならないので、そこそこやったら、
<2>アレンジ、<3>アドリブへと進めていくとか、
うまくやれれば並行してやるのも良いでしょう。


一般に
楽譜では<1>
教則本では<3>
ポピュラーピアノのレッスンでは<1>
ジャズピアノのレッスンでは<3>
が多いようで、<2>アレンジの部分が少ないように見えます。

実は私の著書「ブルースから始めるやさしいジャズピアノ」も、
<3>のアドリブが中心になっています。

もともと、本を書くにあたって
<ブルースからはじめるジャズピアノ>というテーマが
与えられていました。

ジャズにおいてブルースはセッションでの必須課題。
セッションといえばアドリブが必要。

そんなわけで、アドリブの仕方が中心になりました。


ちなみに普段の私のレッスンでは、
<1>の2段譜をほんの少し取り入れつつも、
<2>のアレンジを中心に行います。

そして生徒さんの様子を見ながら少しずつ<3>の
アドリブも加えます。

ソロピアノを中心にやりたい方は、その後も<2>の
アレンジを中心にやり、バンドやセッションをやりたい
方には<3>のアドリブを中心に進めていきます。

また、
オンライン講座では昨年
「ピアノアレンジ講座」を行い、こちらも
<2>のアレンジを中心に行いました。

このアレンジ部分を学んでいただくことが、
もっとも気軽にジャズピアノを楽しむことができて、
本格的に音楽を理解することにもなって、
とても良いのではないかと考えています。

これからもオンライン講座なり、書籍なりで
皆さんにアレンジを学んでいただける
よい教材を作成したいと思っています。


おすすめの楽譜はこちらで紹介しています。
  ↓↓
楽譜・教材


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  1. 2022/06/09(木) 10:28:00|
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◆ジャズピアノの特徴(クラシックの違い)


多くの方が、クラシックピアノを経てジャズピアノを始められるので、
クラシックピアノと比べながら、ジャズピアノの特徴を書いてみますね。


<メロディ>

共通点 :ドレミファソラシドが基になっている

異なる点:大部分を即興で作る


<ハーモニー、伴奏>

共通点 :基本的には同じような和音、和声進行

異なる点:伴奏部分は音符にせず、コードネームを使う。
     原曲とは違う和音に変えることも多い。


<リズム・テンポ>

共通点 :四拍子、三拍子、六/八拍子などが中心

異なる点:八分音符が並んでいたら均等に「タカタカ
     タカタカ」と演奏せず、

 「ドゥウダドゥウダドゥウダドゥウダ」と揺らして
 (「スイング」)演奏したり、裏拍にアクセントを
 つけることが多い。
 やや速めかつ一定のテンポで演奏されることが多い。


<音色>

共通点 :良い音を目指す

異なる点:あくまでも自分にとっての良い音なので、
     個性豊か。あえて濁った音を狙うことも多い


<演奏形態>

共通点 :メロディと伴奏の両方を同時にできるので、
     ソロ演奏も可能
異なる点:ソロ演奏も可能だけれどアンサンブルが中心
     リハーサル無しのセッションも多い


<曲>

共通点 :作曲家の残した曲を演奏

異なる点:作曲者の意図した形よりも、私ならこう弾く
     という演奏をする。
     曲自体はシンプルなものが多く、初心者でも
     プロと同じ曲を弾けることが多い。
     プロは自分の曲を演奏することも多い。

などなど、共通点もあれば異なる点も多々あります。

ジャズの場合は即興演奏の占める割合がとても大きく、
それは自分の自由に演奏できるということであり、
自分がどうしたいのかが問われるということでもあります。

そして、それを演奏で表現するためには、音楽の仕組みを
理解していることも大切なことです。
(コードの理論だけでなく、リズムのことなどいろいろと!)


つまり、ジャズの演奏に必要なことは、

「音楽の仕組み」を分かっていることと
「自分はどう表現したいか」をイメージできること。

そこにスイングするなど、ジャズの特徴を加えるというか、
ジャズの流儀の中で表現するとジャズに聴こえるということです。


ちょっと敷居が高くなってきてしまいました。
ちゃんと下げますからね(笑)


(ジャズピアノを始めるスリーステップ! に続く)
  1. 2022/06/07(火) 17:56:00|
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