それには、それにふさわしい気持ちというか、適度な気合というか、
すっきりしている上での集中力というか、とにかく、一体化できる
ような心身の状態が必要だと思います。
いつも読んでいる、小関勲さんの言葉
「パフォーマンスは自己の真実のテンションに比例する。
夢や願望は方向性を示せるかもしれないが、
実際のテンションはそことは直接関係しない。」
僕は、無理なく、心身のテンションを上げるのに、もの凄く時間が
かかります。
でも、僕に限らず、一人でテンションを上げるのは難しいみたい。
だから、何とかセッションに参加できるところまできたら、
どんどん参加して、バンドを組んでみんなで演奏するといいと
思います。
2002年のキースジャレットの演奏の動画を見たという生徒の
Sさんが、「いったいどうしたらあのように弾けるんですか?」
と質問してきた。
僕があのように弾けるわけではないので、困ってしまうけれど、
とにかく、彼がいつも音楽に入り込んでいるのは、よくわかる。
ちょうどその2002年だと思うけれど、僕はキースジャレットの
演奏を生で見ることができました。
そのとき、彼は、もはや人間を超越して見えました。
かたつむりに殻があるように、キースはピアノとセットで一つの
生き物のようだった。
引き込まれ、食い入るように見ていました。
ちょうどその頃、肘を痛めたので、それから数年は、
一体となる以前に、ピアノを弾ける身体づくりからやってきた
のですが、今思えば、それも含めて、僕のこの十数年の練習は、
ひとえに、ピアノと一体化するための練習だといえます。
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